フラット35不正利用のニュースから思ったこと

 

Yahooニュースに、フラット35という住宅ローンを賃貸に出す投資目的で購入をしたことが問題になった記事が出ていました。

 

「フラット35を悪用し不動産投資 「住む」偽り賃貸用に」

 https://news.yahoo.co.jp/pickup/6322356

@YahooNewsTopics

 

何が問題かというと、住宅ローンは居住目的で購入する住居に限って融資をするという決まりがあるにもかかわらず、投資用物件を居住用と偽って、フラット35の住宅ローンを利用して購入したことです。

 

 

アパートや投資用のマンションなどを購入するときにローンを利用する場合は、アパマンローンという投資物件購入用のローンを利用する必要がありますが金利が住宅ローンよりは高いです。

 

 

今回のような不正が発覚すると金融期間より全額返済を求められてしまう可能性もあり、その場合売却して返済することになったり、売却額がローン残債を下回るような場合は、自己資金でマイナス分を補填する必要も出てきたりと、おそろしいことになってしまいます。

 

 

では、購入する目的で買ったものの、途中で転勤になってしまい賃貸に出したいとなった場合はどうなるのでしょうか?

 

この場合、賃貸に出すことは可能です。

 

ただし金融機関側に届け出をして、所定の審査を受けて了承してもらう必要があります。

 

また、転勤が終わった後はそのお家に戻ってきて住むことが前提で、賃貸に出せるのも転勤している期間に限られるという条件もついてきます。

 

転勤で引越しをするので賃貸にしてもいいですか。

https://www.jhf.go.jp/faq/hensai3_2.html

 

 

 

また、今回のニュースでもうひとつ気になったのが、「利用客は年収300万円台以下の所得層が大半」という内容です。

 

というのもフラット35は、同じ年収でも他の住宅ローンよりも多く借りることが可能なんです。

 

 

仕組みをちょっとご説明しますね、

 

住宅ローンの審査をする際には、審査金利というものが登場します。

 

この審査金利は、もし金利が上がった場合にも返済ができるかどうかを審査するために金融機関が利用しています。

 

大手銀行などの実際の金利(変動)は1%をきっていますが、審査時には3.3%前後まで金利が上がった場合でも返済ができるかどうかをみています。

 

 

一方でフラット35は実際の金利も1.3%くらいで推移していますが、返済期間中ずっと固定されているので、この実際の金利を審査金利にしています。

 

 

これはどういうことかというと、同じ年収でも一般的な住宅ローンよりも、審査金利の低いフラット35の方が多く借りることが可能だということです。

 

 

当社に相談へお越しになるお客様の中でも、多く借りられるからという理由で、他社さんでこのフラット35を勧められて資金計画を立てている方がご相談にいらして、返済に無理があるので資金計画を作り直すことも時々あります。

 

 

誤解してほしくないのは、フラット35自体に問題があるというお話ではないことです。

 

フラット35自体は、固定金利ですから将来の金利上昇を気にしなくてよかったり、自営業やフリーランスの方でも借りやすかったりとメリットはたくさんあります。

 

 

問題なのは、これらのことを知らずに無理のある資金計画で物件購入することです。

 

住宅ローンは借入額が大きいため、今回の審査金利もそうですが、ちょっと数字が変わっただけで全体が大きく変わってしまいます。

 

 

物件が決まってからでは、その物件を買う前提、物件ありきの資金計画になってしまいやすいです。

 

 

どんな金利タイプで、どのくらいの金額なら返済できそうなのかなど、資金計画は物件を本格的に探す前に検討しておくことをおすすめします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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